建築を巡る冒険
今回は建築の話
2016年の夏、得難い体験をした。
建築、いや住宅とはかくも深いものなのかと感動と共に、知ってはいけない新たな領域に足を踏み入れた恐ろしさを感じた。
繰り返しになるが、住宅を建てるにあたっては施主側の勉強も必要だ。
建築についていろいろ知るうちに興味がわいていったが,大きく2回、建築への見方が変わった瞬間があった。
冒頭に記した体験を与えた里山住宅博はその一つにあたる。
住宅展示場は,大手ハウスメーカーが軒を並べるが,
住宅博は,地元工務店が分譲住宅を並び建て,会期中は展示し,展示後に販売する住宅の展覧会だ。
2016年に神戸市で,そして2019年11月30日までつくば市で実施されている。
この住宅博のすごいところは,日本でも有数の建築家が設計した住宅が何棟かまとまって見れることである。
そのほかの工務店もここぞとばかりに良い住宅を提供しようと試みているし,住宅展示場とは違って,分譲するために現実的な価格で作られているのでとても参考になる。
住宅展示場では見られない建材も豊富で一度訪れる価値がある。
新築を考えている人はぜひ訪れてみてほしい。
ちなみに神戸市の際には今回のつくば市の住宅博にも参加されている堀部安嗣氏と松澤穣氏設計の建築を見ることができた。
とても素晴らしい住宅が並んでいたが,特に堀部安嗣氏の設計の住宅には不思議な魅力があった。
図 里山住宅博in神戸 堀部安嗣氏設計 ダイシンビルド様施工 ヴァンガードハウス
当時,これほどの著名な建築家の名前も知らなかった素人の私が感じたのだからその魅力はきっと本物なのだろう。
使われている素材は自体はある種凡庸だった。仕立てのいい普通の住宅という印象である。
だからこそ,その居心地の良さは恐ろしい。
不思議な体験だ。
こうした建築家のすごさを改めて感じてみてほしいし、建築の魅力を伝えたい思いが尽きないのだ。