需要と供給と個人の力
今日は住宅設備の市場の話
注文住宅を建てるにあたって,1番ショールームを巡り、施主が選ぶ楽しみを味わうのは設備だろう。
お風呂,キッチン,トイレ,最新の設備は常に施主をワクワクさせる。
しかし,施主ならば反面に設備のチョイスに四苦八苦させられた経験もお持ちのことと思う。特に設計事務所カテならば。
家電も含め国産メーカーはデザイン面に劣り,コスト面や機能面に勝ることが多く,海外メーカーはデザイン面に秀で,自由度が高いことが特徴だが,コスト面では2歩3歩と見劣りする。
こうしたメリットやデメリットは,何もメーカーの責任ではない。
例を挙げよう
例えば海外のパナソニックでは
こんなおしゃれなIHだってあるし,
フロントオープンタイプの食洗器もある。
この類の商品は日本国内メーカーから日本国内向けには発売されていない。
または、一風変わった商品が表れてもメーカー独占の設備に搭載される形になりがちである。
(Panasonicは特に自社システムキッチンにしかつけられない設備が多いイメージだし,ビルトインガスオーブンなどはグリル付きガスコンロとセット販売が多い)
だからといって日本国内メーカーにそれらの商品を作る技術がないわけではない。
単に需要がないから国内向けには作らないのだ。
日本ではIHのデザインは多くの人が気にしないし,大型オーブンより魚焼きグリルの使用率が高いからグリルがセット売りになっている。
食器は手洗いが基本で,パーティなどもしないから大容量のものより,短い時間で少量の食器を洗える方が需要があるらしい。
(しかし物置になっている家庭も多いイメージ)
こうした市場が現状の商品を作っている。同様の問題で,サイディングは進化しているし,ビニルクロスは高機能だ。日本のキッチンは除菌水が出たり,ノックで食洗器が飛び出す。トイレは音楽が流れ,自動でふたが開き閉まりする方向に進化していっている。
この点からも言えることは,メーカーは消費者の動向を注視しているということである。
消費者はメーカーが出す商品からしか選択ができず,受け身だ。
一見最も力が弱いように見えるが,その影響力は絶大で,消費者のチョイスの影響を企業は必ず受ける。
現状の痒い所に手が届く様で,届かない品物は消費者が作っているといえる。
同じようなことは政治や会社の方針などでもいえる。
漫然とした動向は世の中を多くの人が望まない方向に進めてしまう。
必要なことは,良く精査し,本当に良いと思えるものにいいといえる勇気を持つことだ。
そうすることで多少の面倒があるかもしれないが,そこは自分の未来だけではないと自らを奮い立たせて,主張することが必要なのだ。
そうした信念に基づく個人の力はとても大きく、人に影響を与えるのだ。
このブログも続ける意味があるのかと投稿のたびに考え,悩むが,このブログで扱う情報が誰かに,社会に良い影響を与えることを願っている。
(一番言いたかったことはパナソニックさん,海外向けの商品をそのまま日本規格で日本で売ってくださいってことだ。皆さんもそう思いません?)