誇りと幅木とエトセトラ
今日もディテールの話
今日は床と壁の取り合いの話をする。
建築家カテと言えば,幅木レス,幅木レスと言えば建築家カテというぐらい
建築家カテでは幅木レスが多い。
幅木とはこれ
図1一般的な幅木例
主に壁紙と床との取り合いをカバーすることと,
掃除機などをぶつけたときに傷をつけないためについている。
施主にとっても施工側にとっても利点があるが,
やぼったい空間になってしまう弊害がある。
我が家はこう
図2我が家の幅木状況
幅木レスになっている。
幅木レスと言えば,裏に下地を入れたりL字アングルをいれて
浮かしたりする処理(いわゆる壁に目地を切った床勝ちの状態?)にする。
我が家もおそらく床勝ちであるが,見切りも目地切もないべた付けの取り合いである。
建築家カテではもはや常識,幅木レスが当たり前にイイというところかもしれないが,
その弊害もレビューしておこう。以下が結果である。
図3ビニルクロスと無垢床材の取り合い部
壁紙部では,床面から5ミリ程度に,埃汚れが付着している。
図4左官壁と無垢床際の取り合い部
塗装部では,埃汚れの付着はない。
この差異は,家中各所で認められており,状況による影響は乏しい。
よくビニルクロスのデメリットとして静電気での埃の付着が指摘されるが,
今回の結果は,その先行研究の結果を異なった形で実証したものといえる。
このことから幅木レスの設計を行い,かつビニルクロスを使用する場合においては,
L字アングルを回し,高さを5ミリほど浮かすことが望ましいといえる。
なお,幅木がなくとも掃除機をぶつけることなどによる汚損・破損はないことを申し添えておこう。
ではまたお会いましょう。
素敵な家たくさん見れます。ぜひどうぞ。