シアワセの造り方

建築とインテリアと生き方のブログです。

空を望む家

今回はプランの話の最終です

 

先延ばしにしていたわけではないが,プランの話が遅くなってしまった。

理由を述べるとプランの話をまとめようと思っていたが,図面は載せられないし*¹

どうやって説明しようか迷っていると時間がかかってしまった。

 

言い訳です。

 

では本題。

これまでの話を少しまとめる。

 

今回の計画は狭小住宅だ。

延床でいえば80㎡程度で,30坪に満たない。

 

住宅密集地のためコートハウスとしてプライバシー面での安心感をもとめた。

 

先例から素晴らしき例を抜き出して,中庭から自然を取り入れようとしたが,ロ型,凹型,L型,中庭で挟み込む形などいろいろ試してもどうも余裕がなかった。

 

最終的に出た案はそうした「よさ」,「悪さ」より「おもしろさ」を取ったといえる。

 

 

 

さてどうなったか。

 

 

 

こんな感じだ。

 

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※まさかの手書き。詳細はあえてぼやかしている。理由は防犯上のため。尺も正しくはない。

 

色付きの部分は個室となっている。

プライベートスペースが四隅と中央に点在し,スペース部分にパブリックスペースを収めたプランだ。

 

キッチンを通路状に配することで,省スペースかつ動線を配慮している。

 

また,中庭で挟み込む案では一室空間で広くとったにもかかわらず,屋内スペースは小さく感じるようにまとまってしまっていたが,

今回のプランでは,あえて一つ一つのゾーンをより小さく分割しつつ地続きにすることで,居心地が良い程度に各ゾーンが分かれつつ,一体化し,回遊動線にしたことで狭さを感じさせないような形になっている。

 

しかし,この図だけでいえば,庭らしきものが見当たらない。

 

どういうことかというとこうだ。

 

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※まさかの手書き。これも高さや大きさは正確ではない。ちなみに三層になっているが法規上は2階建てで,下層は床下収納だ。

 

結局庭は2階に取ることになった。

多少の変更はあったが,原案はすべての生活スペースを1階にとって(平屋のような状態),2階はすべて庭(バルコニー)になっていた。

 

二階をすべてバルコニーと吹き抜けにすることで,ハイサイドライト的に配される格好になり,バルコニーにおいた植栽から木漏れ日に様に光を楽しむ。

そして見上げれば空が切り取ったように見える格好だ。

 

その中に真ん中に塔のように空間が3層で貫いている。

 

中心の箱の上にはトップライトが配され,ここからも光が漏れてくる。

 

2階がすべてバルコニーということになれば,防水工事が多くなり,水仕舞的に不利が多い。

またトップライトなども水の問題が多く,リスクが高い。

プランとしては危険性がとても高いプランだ。

ハイサイドライトやトップライトの多さは,温熱環境上の不利も多く,懸念はあげればきりがない。

 

 

しかしそんなことよりも、この案が出た時にまず面白いと思った。

 

 

建築家と話していた時に,阿部勤氏の「中心のある家」や,安藤忠雄氏の「平野区の町屋」*²の話をしたことが記憶に残っている。

層をまたぎながら外とつながった空間が面白い

そんなことを話していた覚えがある。

コートハウスにはいろいろな形がある。形に縛られず面白さに拘ってもいいと思う。

 

「じゃあこのプランでおねがいします」

 

「じっくり考えてください」と言う建築家をよそに,自分の気持ちは面白いことになりそうだとわくわくしていた。

 

 

 

*¹ 防犯上の理由もありますが,お察しください。

*² ネットを探っても写真一つ上がってこなかった。安藤忠雄氏の著書に写真があった覚えがあるので,興味がある方はどうぞ。

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