シアワセの造り方

建築とインテリアと生き方のブログです。

狭小住宅という名の宇宙

今回は建築の話

 

建築というものは,文化だ。

各国の風土や風習が建築に反映される。

そして国土が狭く、都会に住宅が密集しやすい日本の住宅特徴の一つに狭小住宅がある。

 

狭小住宅は,狭小であるがゆえに造りにごまかしがきかない。

素材選びにも気を使わないといけないし*¹、家具も造作の活用など,配慮しないとただ狭くなってしまう。

また,狭い空間はそつのない間取りでは中途半端になりがちで,この場合も狭さを感じてしまう。

割り切って空間の良さを強調するある種の極端さやプランのまとめ方が必要になる。

 

私はそんな狭小住宅をとても好きになった。

 

 今日は狭小住宅の魅力を伝えたい。

 

例えばこう

f:id:cocoro-ck:20191010004352p:plain

Figure 1 LOVE HOUSE(保坂猛建築都市設計事務所 様)

大胆にも階段部分を大きく取り、アプローチが非常に魅力的で階段に庭の要素を生んでいる

 

あるいはこう

f:id:cocoro-ck:20191010011000p:plain

Figure 2 YY house(アキチアーキテクツ  様)

 スキップフロア的というかスラブをずらしていることで抜けが出ている。また素材を使い分けることで狭いのに飽きが来ない。

 

狭小住宅の良さは,狭いが故の使いやすさと,家というよりアスレチック的な親しみやすさがある。

また,良い狭小住宅の要素を抜き出すと,自然のある抜けをうまく取り入れている,上下の空間のつなげ方の工夫をして狭いのに(ある意味)広い不思議な空間になる。

 

工夫が重ねられた小さな空間は大きな家にはない良さがある。様々な要素を取り込んだ小さな宇宙だ。

 

最後に蛇足ではあるが,自分の話に置き換えておこう。

我が家は結果として,予算的にも扱いやすい狭小住宅を選んだ。

 

f:id:cocoro-ck:20191006015700p:plain

土地の大きさは30坪ちょうどぐらい。

角地なので建ぺい率などは緩和があって70パーセントだ。

各種ブログを参考にして,防火地域はぎりぎり外した。

 

 ここに延床30坪以下の小さな宇宙を作りたい。

 

 

*1 単に近いところに家具や壁が来るので,造りの粗さが目に付いてしまう。

 

 

にほんブログ村 住まいブログ 一戸建 建築設計事務所(施主)へ
にほんブログ村