ハウスメーカーのすばらしさ
今回は依頼先の話
建築家との家づくりの過程で感じたことがある。
ハウスメーカーの注文住宅や建売住宅のソリューションは素晴らしい。
そのシステムはとても効率的で高サービスだ。
プレゼントなども多く,オプションを選択しなければ価格も読みやすい。
また,建つまでの期間が短く済む。
人は選択肢が多いと迷い,迷いは苦しみを生むものだが,ハウスメーカーはどこにするかの選択をすれば,「標準規格」があって,その後の迷いは少ない。
「標準規格」とは積み上げる中で最適化だ。
伊礼智氏の「標準化」,「i-works project」などを参考にするとわかりやすい。
建築家のデメリットである「完成が予測できない」ことや「費用が見えにくい」
ことをなくす標準化は安定した質の高い住宅の行く先かもしれない。*¹
話をする相手も「営業さん」のワンストップサービスなので,信頼できる(仕事ができるが正しいか?)相手に当たれば非常にメリットがある。
建築家との家づくりその真逆で,とにかく手間と時間とお金がかかる*²
しかし,次に家づくりをするとしてもおそらく建築家にお願いするだろう。
建築家の家づくりでないと手に入らないものがあるからだ。*³
ただし,家に住むのは自分だけではない。建築家との住宅づくりが家族のメリットとなるかもしっかり考えよう*⁴
*¹ 実は住宅の歴史を紐解くと,ハウスメーカーの存在意義自体,良質の住宅を広く安価に生み出すためのものである。しかし現在は経済原理に毒されているようにも感じる。
*²家単体の費用はさほど変わらない。
しかし手間と時間がかかるということはつなぎ融資の費用,引っ越し前の住居費,など余分な費用がかさむということ。
ほかにもいろいろな建材を見に行く時間やお金や考える手間,こまごまとしたコストが掛かる。HPなどで出来上がった家だけを見て決断することは危険である。
*³ 厳密にいえば「アーキテクトビルダー」となら近しいものが手に入る。
本文中に示した,伊礼氏の規格住宅なども同じように価格を抑えた素晴らしいものだと思う。
そして建築家との家づくりでも手に入らないものがある。建築家は建築家のこだわりがある。自邸を設計するでもない限り本当の意味での自由な注文住宅にはならない。自由度の幅の問題。
注文住宅は自由に金を払っているのだ。自由を金で買うとはまるで奴隷のようである。
*⁴ 超大事。そして一緒に楽しんでくれた家族に感謝。